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はぁ、はぁ、と呼吸が荒くなる。
息をするのも辛くなってきた。
だが、もう少し、あと少しだけ、伝えなければならない。
「こんなことに、なって、すまない、と。
そして………絶対に守りぬけ。
世界中の、日常を…光を………」
目の前がぼやける。
泰月と奈夢が何かを言っている。
だが、聞こえない。
もう何も聞こえない。
後は頼んだぞ………。
朝日はゆっくりと目を閉じた。
「リー…ダー…?」
奈夢の瞳から光るものが流れ出る。
「おい…なんだよ。待ってくださいよ…」
泰月が朝日の肩をつかむ。
「リーダー…」
返事がない。
反応がない。
受け入れたくない現実だけが、目の前に広がった。
「朝日さあぁぁぁんっ!!」
泰月の大きな声が、部屋中に響き渡った。
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