一章 壊

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 ザン!  放たれた不可視の刃によって、襲いかかっていたヘルハウンドが両断された。 「フゥ………っ!!」    安堵した所に、湧いた気配に慌てて振り返る。  背後を振り返ると同時に、目の前に鋭い牙が並んでいた。  ダン! 「ジーク!」  目の前のヘルハウンドが、両断されると同時にロゼが嬉しそうな声でその人物を呼んだ。 「ロゼ。油断大敵だよ?」 「ありがとう!ジーク。」  恐怖で歪んでいた、ロゼの表情はすでになかった。 「お礼はあと。 仕事が先だよ。」 「あっ、うん。」  ロゼに注意をしながらジークは、自分の背後にいたヘルハウンドを、手に持っていたハルバードで両断していた。 (もうちょっと、なにか有っても…)  そんな、淡々とした態度に愚痴りながらも、ロゼは風の精霊を呼んで攻撃をする。
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