第一部 全ての崩壊と始まり プロローグ

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「オラァ!」 「うぐっ・・・」 今、殴り合う男たちの一人が倒された。 周囲には倒れて動かない人間が15人ほどいる。 さらに男たちは何かのチームに所属しているのか、同じようなジャケットを着ている。 「はあ、はあ、はあ・・・」 立っている男は、青年というよりまだ少年と言えるだろう。 女の子受けしそうな甘い顔立ちに、黒のジャケットを着ている。 アンダーシャツは青地に黒で何やら文字が書かれている。 黒のスラックスを穿いており、腰にはシルバーチェーンが提げられている。多分財布だろう。 首にはシルバーネックレスを提げており、トップはダブルプレート。 リングやピアスは身につけていないようだ。 「へっ。『狂犬』に噛みついたのが運のツキって奴さ。残念だったな」 「クソが・・・」 倒れ込み、そのまま喋らなくなる。が、まだ息はあるので放っておいていいんだろう。 「さて、帰るか・・・いい加減疲れたし」 そう言って少年は乗ってきた自転車に乗り、そのまま帰っていった。 しかし、彼は平凡な日常が終わり、劇的な日常が訪れる事を未だ知らない・・・
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