7章:また地下道…

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「この世には3つの『次元』が存在する。縦、横、高さ… ほら、この3つがあれば物体が立体的に表せるじゃろ?」 机に指で線を書いてみる。 縦、横、高さ… あっ! 確かに立体だ! 「よく絵とかマンガを2次元って言うじゃろ? あれは、縦、横しかない平面の世界だからなんじゃよ」 ふむふむ。 「我々の存在している世界は3次元空間… まあ、これに時間軸の1次元を足して4次元空間って言ったりもするんじゃがな…」 時間が1次元で、実際は3次元で…… 3次元なのに4次元…… 頭がついていかない…… 「まあ、とにかく我々は通常3次元空間に存在していると覚えてくれ」 3次元…… 3次元だな! よし、それだけは覚えた。 「でも、この世には、我々が見えない他の次元が存在していて……」 「見えないって何だよ?」 「ちょっとこれを見てくれ」 爺さんは黒板に向いて、右端と左端にそれぞれ1コずつ点を書いた。 「この左端に書いた点を『A』として、右端の点を『B』とするじゃろ?」 それぞれの点の横にAとBと書き、2つの点を線で結んだ。 「このA点からB点に行くまで、10分かかるとする……」 なんだか数学の授業みたいだな… 「……で、A点とB点のちょうど真ん中にC点があるとするじゃろ?」 真ん中に点を書き、その横にCと書く。 「さて、ここで簡単な問題じゃ。A点からB点に向かうとして、C点に着くのは何分じゃ?」 馬鹿にすんなよ。 こんな問題、小学生でもわかる。 「ちょうど真ん中だから、10分の半分で5分だよ」 「当たりじゃ。よくわかったのう!」 「そんなの誰だってわかるよ」 「じゃあ、またA点とC点のちょうど真ん中にD点があるとする。A点からD点までは?」 「また半分で、5分の半分だから2分30秒だよ」 「またまた当たりじゃ!」 う~…… 何か微妙に馬鹿にされているようで、腹が立ってきた……
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