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「あのさ… 何が言いたいんだよ?」
「……まあまあ、話しは最後まで……」
早く説明しろよ!
それでなくても、さっきから学校みたいで嫌なんだから!
「じゃあもう1回だけ…… A点とD点のちょうど真ん中にE点……」
「はいはい…… 2分30秒の半分だから1分15秒だよ…… だから何なんだ?」
「ようするにな、A点とB点の間に点が入ると、必ず出発点のA点から、そこに行くまでに時間がかかる訳じゃ」
「……そうなるよな…」
「でも、今やっていったように、A点とB点の間には無数の点が書ける訳で……」
確かに書こうと思えば、いくつでも点が書けるよな。
「その考えでいくと、A点を出発してB点に行くときに、どんどん無数の点が間に発生する訳になるじゃろ?」
……うんうん。
「A点から次の点に行くまでに必ず時間がかかる訳で…… つまり、A点を出発しても、どんどん無数の点が発生するから、いつまでたってもB点に到着出来なくなる……」
「ちょっと待てよ! そんな事ないだろ! 最初に10分かかるって言ってんだから……」
「違う、違う! わしの話しているのは数学的な話しじゃ! この無数の点が発生する考えでいくと、おかしな説明になってしまうんじゃ」
……数学的?
「数学の世界ではよくこんな事があるんじゃ。この話しの中で『点』と言うものは、カタチがないようなものじゃろ?」
確かに『点』って言ってんだけど、それが何かって言われると……
A点とB点の間に、いくつの点があるかって言われてもわからないもんな。
「さて話しは『次元』に戻るぞ。さっき見えない次元があると言ったんじゃが、この点と同じようなものなんじゃよ」
なんかわかってきたぞ……
見えない点……
見えない次元……
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