10章:潜入

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トラックが正門の前で止まり、運転手が受付を始めた。 「…さあ、ここからが勝負じゃ! 素早く乗り込むんじゃぞ!」 ヤバい! すんげードキドキしてきた。 「今じゃ! 行くぞ!」 爺さんと一緒に茂みの中から飛び出す。 心臓が飛び出しそうだ…… 最後尾のトラックの荷台しか見えてない…… 必死に走る…… まだかよ… まだ着かねーのかよ…… たった10mぐらいの距離が100mぐらいに感じる…… 息が止まりそうだ…… ドン! はあ、はあ…… なんとか飛び乗った…… 「……ふ~う… 大丈夫か?」 「……はあ、はあ…… なんとか……」 荷台に寝転ぶ2人。 あとは気付かずに出発するのを待つだけだ。 早く! 早く出発してくれ! ブロロロローン…… 数分後、車のエンジンが掛かり、いよいよ城の敷地内へ。 「…入ったのかよ?」 「…ああ、なんとかな。今、厨房に向かっているところじゃろう……」 外の景色が見えないからよくわからない。 「…で、この先はどうするんだったっけ?」 「…トミーが注意を引きつけている間に、城の中に入る……」 そうだった。 トミーの奴、やたら張り切ってたもんな。 僕は男になるんだぁ~! …なんて言ってたし…… 頼むぞ。トミー! 車が止まった。 厨房に着いたみたいだ。 荷台のすき間から外の様子を伺う。
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