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「ちょ…ちょっと待って! 大野くん… 大野くんを解放して!」
思わず声が大きくなる。
「ほほぉ~う… このギャーギャーうるさい男の子は、そんな名前なのか… よかろう、その男の子も一緒に連れて行け!」
カチッ
ウィーン……
ブラックスーツが壁のボタンを押すと、俺たちと大野の間にあった透明な壁が上がった。
「なーなーこさぁぁん! なんで来ちゃたんですかー!」
叫ぶ大野。
な…なんだよ!
お前、助けてくれって叫んでたじゃねえかよ。
「大野くん… 何言ってるの?あなたが大声で呼ぶから……」
「ぼく、呼んでなんかないですよぉぉ! 外にななこさんの声が聞こえたから、来ちゃダメだ…罠だって、ずっと叫んでいたんですからぁ……」
「何だって……?」
「お前たちが言ってるのは、このことかな…?」
バシコが何かのスイッチを入れると、あの声が聞こえてきた。
「助けてくださぁぁい! ぼくはここにいますぅぅ……」
「あれ…? ぼくの声……?」
「これはその男の子の声から作った合成音声… つまりお前たちを捕まえるためのエサだよ。」
なんだよそれ…
完全に打ちのめされちまった…
「よしっ! 3人を連れて行けー!」
こうして俺と大野と爺さんは、とらわれの身になっちまった。
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