14章:3次元へ

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ブランコの鎖を両手でしっかりと掴み、耳を澄ます。 「……いいですかぁー! いきますよー! それ、い~ち… に~い…」 遠くから聞こえてきた大野の声。 始まった! カウントのタイミングがずれないように注意しながら、必死でブランコをこぐ。 「見つけたぞー!!!」 パーン! パーン! 遠くで銃声が鳴り響く。 どっちの音だ…? 2人とも、大丈夫なのか…? 「……は~ち… きゅ~う……」 カウントに集中する。 「……じゅういち~… じゅうに~……」 まだかよ! 大野… どこにいるんだ… 早く姿を見せてくれ…… 「……じゅうご~…  じゅうろく~…… あっ!」 遠くに大野の姿が… ブラックスーツに追われてる! 早く… 早く… 「……じゅうしち~… じゅうはち~……」 ギリギリだぞ… もっと早く…!!! 「……じゅ~く……」 「……はぁ… はぁ… ななこさん…!」 「にじゅう! 飛べー! 大野ー!!!」 「それっ!!!」 20のカウントとともに、飛ぶ俺。 そこに大野も飛び込んで来る。 「もっと……」 思いっきり大野に手を伸ばす。 大野もその手に向かって手を伸ばす。 あと少し… あと少し… 早く… 早く…… あと数センチ…… パーン! えっ…… 「うっ……」 「お…大野ーーー!!!」
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