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ブランコの鎖を両手でしっかりと掴み、耳を澄ます。
「……いいですかぁー! いきますよー! それ、い~ち… に~い…」
遠くから聞こえてきた大野の声。
始まった!
カウントのタイミングがずれないように注意しながら、必死でブランコをこぐ。
「見つけたぞー!!!」
パーン! パーン!
遠くで銃声が鳴り響く。
どっちの音だ…?
2人とも、大丈夫なのか…?
「……は~ち… きゅ~う……」
カウントに集中する。
「……じゅういち~… じゅうに~……」
まだかよ!
大野… どこにいるんだ…
早く姿を見せてくれ……
「……じゅうご~… じゅうろく~…… あっ!」
遠くに大野の姿が…
ブラックスーツに追われてる!
早く… 早く…
「……じゅうしち~… じゅうはち~……」
ギリギリだぞ…
もっと早く…!!!
「……じゅ~く……」
「……はぁ… はぁ… ななこさん…!」
「にじゅう! 飛べー! 大野ー!!!」
「それっ!!!」
20のカウントとともに、飛ぶ俺。
そこに大野も飛び込んで来る。
「もっと……」
思いっきり大野に手を伸ばす。
大野もその手に向かって手を伸ばす。
あと少し… あと少し…
早く… 早く……
あと数センチ……
パーン!
えっ……
「うっ……」
「お…大野ーーー!!!」
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