46人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
7章:また地下道…
「……おかえり♪」
おかえり… じゃねーよ。
………何でだよ。
何でまた、ここに戻って来ちまったんだよ。
「……いやぁ~… 勝手に後を付けさせて貰って悪かったのう…」
爺さんの横で、申し訳なさそうな顔をする黒い服の兄ちゃん。
「でも後を付けさせて正解じゃった…」
兄ちゃん、そんなにペコペコ頭を下げなくてもいいよ。
「……そろそろ機嫌を直してくれても良いんじゃ…」
バンッ!
怒りで机を叩く俺。
「一体何なんだよ! あんたらは!!!」
思わず大声になっちまう。
「勝手に俺を付けて来やがって…!」
「でも結果、助かったんじゃないのかな…?」
「……確かに助けてもらったけど…」
何だよ!
その自慢げな顔は…!
「…大体、何で俺が追われなくちゃいけないんだよ! 母ちゃんにも襲われちまうし……」
…母ちゃん。
…思い出したくもない…
「まあまあ、落ち着いて座って……」
兄ちゃんに肩を押さえられて座らされる。
「さ・て・と…… たっぷり今の現実を見てきたみたいじゃから、そろそろ説明をしようかのう…」
……見てきたどころか、見過ぎちまったよ。
「……今度こそ、聞く準備はいいかな?」
「…ちょ! ちょっと待ってくれ!」
大きく深呼吸……
さあ! 何でも話しやがれ!
最初のコメントを投稿しよう!