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10章:潜入
トミーはすでに城の中へ。
俺と爺さんは、城の通用口の近くの茂みに隠れる。
「なあ爺さん、いつになったら来るのかよ?」
「トミーの情報じゃ、あと10分… 朝の7時になったら来るハズじゃ……」
なんたって正門のすぐ近く。
さっきから、ブラックスーツたちや城の関係者が、ぞろぞろ出入りしてやがる。
ホントにうまく入れるのかよ……
トミーの情報によると、搬入のトラックは3台。
1番先頭のトラックが受付をしている間に、最後尾のトラックの荷台に忍び込み、食材搬入の時に厨房から潜入する段取り。
「ホントにトラックは、一旦、通用口の所で止まるのかよ?」
「ああ、止まる… と言うか、止まって貰わんと困る……」
おいおい、困るって……
「なんたって、トミーの情報じゃからな… 若干の間違いはあるかも知れん……」
「ちょ、止まらなかったらどうすんだよ!」
「大丈夫じゃ。今まで、トミーの情報はだいたい合ってるからな……」
だ、だいたい…?
じじい、ふざんけじゃねーぞ!
「だいたいって…… そんな……」
爺さんの自信満々な真剣な眼差しを見て、思わず言葉が止まってしまった。
爺さん、ホントにトミーの事を信用してんだな……
なんか2人が話してると、滅茶苦茶な話しをしてるように思ってたけど、よく考えたら、今までたった2人で色んな苦難を乗り越えて来たんだよな…
トミーは爺さんを尊敬し、爺さんはトミーを可愛がり、お互いに助け合って来たんだろうよ。
じゃないと、あんな天然のトミーなんかを信用出来ないもんな。
根っからの真面目で、気は優しくて力持ち……
確かにそうだよな。
「…き、来たぞ!」
正門に向かってトラックがやって来た。
ちゃんと3台いる。
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