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13章:選択
「はぁ…はぁ…… ななこさぁぁん… 本当にこっちなんですかぁ~?」
「いいから、付いて来て!」
俺と大野は地下道を走っていた。
バシコと爺さんと大量のブラックスーツたちに見送られ、なんとか城の外へ。
緊張しながらなるべく早く城から離れようと小走り。
しかし、爺さんの姿が見えなくなると、あっちこっちからブラックスーツたちが登場。
「うひゃぁぁ! ななこさぁぁん! なんなんですかぁ… これは…」
だよな… やっぱり…
「逃げなきゃ…! 大野くん、こっち…」
とにかくブラックスーツのいない方へ猛ダッシュ!
まあ、そうだよな。
あのバシコが簡単に逃がしてくれる訳がない。
どんどん迫って来るブラックスーツの大群。
「さぁ! ここに入って!」
「えっ? マンホール…? ななこさん、何言ってん……」
「いいから早く入って!!!」
ふぅ~……
あぶねー… あぶねー…
地下道のことを知らなかったら、間違いなく捕まってたよ。
とりあえず爺さんの、あの部屋まで行かなくちゃ……
「ななこさぁぁん… もう走れませんよ…」
「もう少しだから頑張って…」
確かこっちの方だったような…
こんなことになるんなら、もっと地下道の地図を見とけば良かった。
「ななこさんってば! もう走れませんよぉぉ…」
よしっ! なんか見覚えのある場所まで来た。
どこだ? 扉はどこだ?
「この辺の壁に小さな扉があるから、大野くんも探して…!」
「と、扉ですか? どんな扉なんですかぁぁ?」
「小さな扉よ! よく見て!」
「見てったって、こんなに暗くちゃ…」
とにかく早くみつけないと……
「あ、あったー!」
急いで中に入る。
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