16章:父ちゃんの約束

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16章:父ちゃんの約束

「……で、どうだった? 六実…?」 そこには、一馬(かずま)、二郎(じろう)、三男(みつお)、四音(しおん)、五希(いつき)、六実(むつみ)、相沢家男6人衆が集合していた。 「なんか楽しそうに話してた……」 「なんだよ! それじゃわかんねーだろうが……」 「そんなこと言うんなら四音兄ちゃんが行けば良かったじゃん! 五希兄ちゃんでもいいし……」 「そんなこと言うんなら、ここは長男の一馬が行くべきだろ!」 「こら! 二郎 ! 俺はみんなをまとめないといけないだろ! お前こそ行けよ!」 「まあ…まあ…まあ…まあ…」 「まあまあじゃねーよ! そうやって三男は、いつも何もやらないで眺めてるだけなんだから…」 「こうやっていつも冷静な僕がいるから、助かっているんでしょ…?」 「なんだと! 三男! やるのか?」 「兄ちゃん! 喧嘩は止めてー!」 「おーい! ちょいちょいちょーい!」 一馬が大声で止めに入る。 「なんでお前たちは、いつもそうなっちゃうんだよ… 今日は奈々子の為に集まってんだろ?」 気まずそうなみんなの顔。 「昨日から奈々子の様子がおかしいから、こうやってみんなで集まって……」 「思春期だったりして… 俺のクラスの女子も突然変になったりするから…」 「六実… そっか! 確かに俺の周りにもいたりする…」 「五希!お前は黙ってろ!」 ポンッと軽く二郎に頭を叩かれる。 「コホンッ! いいか! どう考えたって奈々子に何か大変なことが起きてると思うんだ……」 「だったら一馬兄ちゃんが、奈々子に聞きに行けば……」 「四音… それが出来るんならやってるよ… あの奈々子が自分の悩みを俺たちに話すと思うか…?」 一同首を横に振る。 「だから六実にこっそり調べに行かせて…」 「おい六実! 他に何か言ってなかったのかよ?」 「ん~… 母ちゃんが、行けとか、やりなさいとか……」 「何をやるんだよ…?」 「そこまでは……」 「なんだよ……」 「……とにかく、奈々子は、これから何かをやる訳だ!」 立ち上がる一馬。 「…ってことは、俺たちがやらなければならないことは……」 「奈々子を全力で見守る!!!」 6人はあの時の約束を思い出していた。
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