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二人は何時も一緒だった。
夏休みになると、二人共に部活が午前中の時は午後からは由紀の家に行き一緒にすごすようになった。
由紀の家は学校の最寄り駅の2つ先の無人駅の近くにあり、周りは田んぼばかりである。
由紀の家は大きな旧家で、離れにお婆ちゃんと暮らしていた。
母屋の土間を通ると優しそうなお母さんがいつも笑顔で迎えてくれた。
由紀とは違い色白だか、背が高く目は大きくて由紀と似ていた。
二人はいつも時が経つのを忘れ夢中でおしゃべりをした。
由紀は部活のことや学校のこと家族のことなどを、いつもの舌っ足らずのしゃべり方で話してくれて、僕はいつも聞き役だった気がする。
時間はあっという間に過ぎ僕は帰ることに。
由紀のお父さんは公務員で、毎日決まった時間に帰宅する。
僕はその前に帰るようにしていた。
「そろそろ帰ろかな。」惜しみながら僕が言うと。
「じゃあ、駅まで一緒に行く。」
その日は途中にあるお寺に寄ることにした。
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