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「前田さんはここに残って私と皆を見張りましょう。怪しい動きをした物は拘束します」
小野田がそう言うと村野さんが困った顔をして言った。
「なにも拘束までしなくてもいいのではないですか?やりすぎな気がしないでもないんですか」
「いえ、やりすぎなどではありません。なにせ残された最後の証拠です。これを犯人に始末されては全てが再び闇の中なのです」
小野田の話しはもっともだった。これが犯人を捕まえる最後のチャンスに違いない。
「では斎藤さん、写真を探してきてもらえますか」
小野田かそう言うと斎藤さんは軽く頷き、あしばやに2階へと上がっていった。
私は小野田にだけに聞こえるぐらいの声で、何故に君は斎藤さんと一緒に写真を探しに行かないのか?とたずねた。
すると小野田は、小声で私に話してくれた。
「斎藤さんは美香さんが泊まった部屋をくまなく見ていたろ?だからだよ。
斎藤さんはきっと写真のありかを知っているんだ。部屋を見たときに、そのときはたいして気にしないかったが、何か変な所を見付けていたんだろう。だからああして私の推理にすんなりと賛成したのさ。
大丈夫、写真は斎藤さんが見付けてくれる。私が探すよりずっと早くね」
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