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あれは今年の冬だった。
私と小野田は雪が降る寒い地方へと招待されたのだ。事務所に招待状がとどき、是非きてほしいとの事だったのだ。送り主は村野 太郎。どうやら困った事になり私達をよんだらしい。詳しい事は手紙には書いてなかった。どんな依頼なのか気になるとこではあるが、今は目的地に無事に着く事を祈るのが1番かもしれない。
「や、やたらと揺れますね」
小野田は少し声が裏返りながらドライバーの男に言った。
「これだけ雪が積もってればそりゃ少しは揺れるさ。しかし久しぶりだな、こんな吹雪は」
「だ、だ、だ、大丈夫なんですか?」
小野田は怖がっているようだ。そもそも乗り物じたいあまり得意ではない小野田だから、前がほとんど見えない吹雪の夜の山を走る車は恐怖でしかないのだろう。
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