第3章:きっかけ

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「まぁ、でも俺はそのクイってのは好きだけどね!!笑」 「全然…誉められた気がせんのんだけど…笑」 そうは言っているが、まんざらでもない感じだ。 つかみもいい感じで俺のペースで話しは進んでいった。 朝方の5時になり、ラストの時間になった。 「もうラスト!?なんか、早かったね。」 愛が少し驚きつつ寂しい感じで言ってきた。 「ほんまじゃね。俺もいつもより早く感じたわぁ。」 ここは、共感してあげる。 チェックが終わり…下まで送ってあげる。 「7階に店があるなんていいね」 愛が空を見上げて言った。 「じゃろ!?しかも、ベランダがあるのは、うちの店だけじゃけぇね」 少し自慢気に言ってみた。 「ほんとじゃぁ!!…てか、もう明るくなり始めとるね。」 「俺達は1日の半分以上は暗い空しか見てないけんなんか、切ない感じになるね」 ずっと、バカで調子のいい感じでいたので最後は少し違った感じにする。 「そのセリフ似合わんけぇ~笑 じゃぁ、帰るね!!バイバイ!!」 「うるさいよ!!笑 おう。バイバイ!!」 こうして、1日が終わった…。 店に戻ると薫さんが近寄ってきた。 「今日、来た子が例の子?」 「そうですよ。手応えバッチリですし、今の常連客とは違う感じにいってみようって思うんですよね。」 「違う感じって?」 「まだ、わかんないですけど…これから考えます!!」 この時にはすでに、愛が俺の太客になるシナリオは頭の中にあった。 全ては俺の思った通りに進んでいく…。 そう…… あの時、出逢った時が「きっかけ」だった。 思い出して電話したのも全てが運命の「きっかけ」だったのだ。 歯車は動き出した…。 俺の思うように動き出す…。 しかし… その「きっかけ」は俺にとってじゃなく…… 愛にとって… だったのかもしれない……。
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