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「まぁ、でも俺はそのクイってのは好きだけどね!!笑」
「全然…誉められた気がせんのんだけど…笑」
そうは言っているが、まんざらでもない感じだ。
つかみもいい感じで俺のペースで話しは進んでいった。
朝方の5時になり、ラストの時間になった。
「もうラスト!?なんか、早かったね。」
愛が少し驚きつつ寂しい感じで言ってきた。
「ほんまじゃね。俺もいつもより早く感じたわぁ。」
ここは、共感してあげる。
チェックが終わり…下まで送ってあげる。
「7階に店があるなんていいね」
愛が空を見上げて言った。
「じゃろ!?しかも、ベランダがあるのは、うちの店だけじゃけぇね」
少し自慢気に言ってみた。
「ほんとじゃぁ!!…てか、もう明るくなり始めとるね。」
「俺達は1日の半分以上は暗い空しか見てないけんなんか、切ない感じになるね」
ずっと、バカで調子のいい感じでいたので最後は少し違った感じにする。
「そのセリフ似合わんけぇ~笑 じゃぁ、帰るね!!バイバイ!!」
「うるさいよ!!笑 おう。バイバイ!!」
こうして、1日が終わった…。
店に戻ると薫さんが近寄ってきた。
「今日、来た子が例の子?」
「そうですよ。手応えバッチリですし、今の常連客とは違う感じにいってみようって思うんですよね。」
「違う感じって?」
「まだ、わかんないですけど…これから考えます!!」
この時にはすでに、愛が俺の太客になるシナリオは頭の中にあった。
全ては俺の思った通りに進んでいく…。
そう……
あの時、出逢った時が「きっかけ」だった。
思い出して電話したのも全てが運命の「きっかけ」だったのだ。
歯車は動き出した…。
俺の思うように動き出す…。
しかし…
その「きっかけ」は俺にとってじゃなく……
愛にとって…
だったのかもしれない……。
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