*ハジメマシテ*

7/13
前へ
/106ページ
次へ
 「んと…な…」 チラチラと俺の方を見る。 何か顔についているのだろうか? 顔をペタペタと触り、首元を触る。 特に何もついてないと思う… 指先に冷たい感触。 首から下げている懐中時計のチェーンが当たった。 チャラッと指に巻き付けて遊ぶ。  「どうしたの一馬?何か付いてる?」 そう聞くと一馬は視線をそらした。  「いや…ヤッパ何でもない!」 何事も無かったかのようにまたスタスタと歩き出した。  「何だよ、変なの!」 一馬がこの時に何が言いたかったのかを知ったのはもう少し後の事だった。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

256人が本棚に入れています
本棚に追加