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今日は何だかクラス中がザワザワとしていた。
入学してから1ヵ月半が過ぎた頃だろうか。
高1のクラスに1ヵ月間、大学1年の教師志望の生徒が教育実習生として来る日だった。
その為、朝からクラス中がその話題で持ちきりだった。
チャイムが鳴り、バタバタと席に着く。
隣の一馬は何だか大人しい…いつもなら一番騒いでそうなのに…。
と、一馬の様子を伺っていると、俺が見ているのを気付いてるのかうつむいたまま話しかけてきた。
「京ちゃん…俺…俺な…」
顔をあげた一馬がやけに真剣な眼差しだったので少し驚いた。
「俺な、実は…」
一馬が何かを言おうとした、その時に教室の戸が開いた。
クラスの中が一段と騒がしくなった。
「ホラホラ、やかましいぞ?今日から教育実習の先生が来てるから紹介な。」
担任の本山先生が廊下にいる教育実習生を呼ぶ。
教生が教室内に入ると更にザワザワとうるさくなった。
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