第1話

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「楽しんでいただけたようで、安心いたしました。」 父さんはまた両手を交互に動かし、両手の平を上に向けて下に下ろされました。 「お嬢様、失礼いたします。」 父さんは、握りこぶしを作り上を向け、両手を打ちつけ左手をそのままに右手だけを開いて前に出されました。 「圭、こっちへ。」 父さんは私を連れ、部屋から出られる。 「父さん、お嬢様は…?」 「結構早く気づいたな…。 そうだ、お嬢様はお聞こえになられていない…。」 「やっぱり…。」 私は、お嬢様のいらっしゃる部屋を見ました。 「圭……、お嬢様は声も出すことは出来ないんだ…。」
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