1人が本棚に入れています
本棚に追加
その女性も生まれながらにしてひとつの才能を持っていた。
その才能は小さく目立つものではなかったが,確かに人々に感動を与えるものだった。
自分の感動を自分の言葉にできる才能。
人には真似できない言葉の羅列で,たくさんの詩や物語りを書き綴り,それが彼女の誇りだった。
それは女性の自己満足だったが,彼女の世界観に惹かれる者は多くいた。
彼女は幸せだった。
様々なことに感動し,たくさんの物語りを生み出せることが…
しかし,計り知れない感性を持った女性だったが,ある日突然,心に訪れる声が聞えなくなってしまった。
その聞えなくなった声こそ,彼女の言葉を紡ぐ糸車だった。
女性は失望で虚ろな表情のまま,突然その姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!