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「とりあえず説明するわよ」
エリックとハクはどこに向かっているのかも分かっていなかったが、アマテラスはそんなことお構いなしに語りはじめる。
「任務は4人一組で行動が原則。私たちは三人だから一人足りない。だから、私たちはソフィーのチームに配属されたの」
エリックとハクは頭に疑問符を浮かべていた。
「ソフィーさんって誰ですか?」
ハクは、エリックも思っていたであろう疑問を口にしていた。
「ソフィー……か」
ソフィーなる人物の名を復唱したアマテラスは、眉間に皺を寄せ、忌々しそうに呟いていた。
「あいつは私たちを見殺しにしようとした、最低の女よ」
私たち? 見殺し? 意味不明な点がいくつかあるが、エリックたちがそれを聞く必要はなかった。
「くっ……! ソフィー……!!」
突然、アマテラスが立ち止まり、威嚇するように唸ったからだ。
アマテラスは、廊下の向こう側からゆっくりとこちらに向かって歩いてくる人物を凝視していた。
「アマテラスさん。お久しぶりね」
廊下の向こう側から現れた人物は薄く笑いアマテラスと目を合わせていた。
「久しぶりですね。ソフィーさん」
敵意むき出しのまま、アマテラスは前方に現れたソフィーに挨拶をしていた。
エリックはソフィーに軽く会釈してから、彼女を観察していた。
ソフィーは、茶色の髪に茶色の目。
アジア系の顔立ちをした背の高い女性だった。
年齢は30歳あたりだろうか?
少し、冷たい雰囲気を放つ、近寄りがたい女性だった。
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