12人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
此所は、
"鋼"邸と呼ばれる大きな屋敷で有る。
そこに二つの影……黒蝶と蒼薔薇だ。
黒蝶&蒼薔薇:
「「………………付いた。」」
そう息ピッタリと言うと、
黒蝶が鍵を取出してドアを開けて、
そのまま鋼邸に上がりこんで行った。
黒蝶&蒼薔薇:
「「……………ただいま。」」
どうやら鋼邸が2人の家らしい。
黒蝶:
「希莉!!」
そう蒼薔薇を見て言うと、
蒼薔薇はビクリと肩を上げて、
黒蝶の方を一瞬だけ見た……。
黒蝶:
「あの時バレてたらどおするんだ?」
そう黒蝶が言い放つと、
罰が悪そうに希莉は顔をしかめた。
そして顔を伏せ、
暫くして口を開いた。
蒼薔薇:
「私の鋼 希莉<ハガネ キリ>
と言う名前がバレる、
寸前だった話ですか?
…鋼<ハガネ>chan………?」
蒼薔薇は希莉という名前らしい。
希莉は泣きそうな、
震えた声で言った。
鋼:
「俺は名前を知らない……。
だから思い出すまで名無しで良い。
だから、
他人に偽名を言ってもバレやしない。
だがお前は立派な名前が有る…。
それに軍称も蒼薔薇と言ったら、
全国の中で知らない奴は居ない…。
軍の上層部で、
殺しの仕事をして居る俺等…。
恨みはってのは…
足掻いたって
慎重にしたって
絶対に恨みは生まれる…。
軍に恨みを持つ奴だって居る…。
そんな中にお前の事がバレて見ろ…。
お前に少しでも関わった奴を人質に、
お前を殺しに来るかも知れない……。」
悲しそうな目
悲しそうな声
苦痛の真実を言葉に出した。
希莉:
「解って居ます。
済みませんでした鋼chan。」
伏せたまま希莉は言った。
最初のコメントを投稿しよう!