闇 的

2/3
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
 彼の目に映るのは高島恵。ただ一人の存在。  他の誰とも変わりのない、普通の女子高生に達夫は狂わされた。 「ぜ、ぜったい」  途切れた。   高島恵は自宅へ帰ろうと、デパートにある駐輪場に足を運んだ。   かすかに賑わう音がデパートの中から聞こえる。  少し歩くと目の前にある自分の自転車にまたがり、北の方面に進みだした。  彼女が思っていることは、むろんあの事である。  なんだったんだろ……あの人。  ……達夫さんだっけ。なんか、可愛かったな。  万引きしてたのを見て、私は考える前に行動していた。   昔から正義感が人一倍強いと周りから言われてきた。  だから、あのような犯罪は許せなかった。  でも話してみると案外いい人だったな……。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!