本格始動

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ここはとあるビルの一室。 いくつかの長机が四角く並べられている。 そこには、数人の男たちが机を囲んで座っていた。 全員がなぜか同じような仮面をかぶっていた。     「…それではこれで決定ということで、異論はないな。」     誰も何かを言うことはなかった。     「決定ということで…それではそのように手配してくれ。」   「了解いたしました。」     扉の近くに立っていた男が恭しく礼をして、部屋から出ていった。     「いよいよだな。」   「そうですね。これでなんとかなればいいのですが…」   「何を申しておる!やる前から弱気でどうするのだ!」   「そのとおりじゃ。なんとかなるじゃろうて…」     何人かが笑い始める。 それにつられて全員が笑い始めた…         健也はラジオ体操をしていた。 いつも仕事の前に倉庫内で行われているものだった。 この後に朝礼を行い、その日の活動内容を確認する。 それから仕事を開始するのだ。   今日も毎日と同じだった。 最初は朝早く起きてというのが大変だったのだが、慣れてくれば清々しいものだった。 今は自分から進んでやるほどだ。   そのラジオ体操も終わり、朝礼を行い、特に変わったこともなく仕事を始めた。 仕事内容は変わらず荷物の運搬と確認だった。 しかし、ずっと続けていたおかげでかなり力がついた。 重い荷物も楽に、早く運ぶことが出来るようになっていた。   その作業を黙々と続けて、昼休みに入る。 昼食は倉庫の隣にある食堂でとる。 ここには、バイト中には入ることがなく、この建物が食堂だということは就職してから知った。
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