募集広告

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
    「あぁ…」     ここに困っている男がいた。   俯きながら歩いているこの男は、たった今バイトを首になった。 正確にはバイト先がなくなってしまったところだった。   小さな雑貨屋で働いていたのだが、店主のお婆さんが息子と住むことになったらしく、店を閉めてしまったのだ。   また、この男はフリーターであった。 他に働いてはいなかったし、新しいバイト先も見つからなかった。   勿論このままでは生活もままならない。 いち早く新しいバイト先を見つける必要があった。   ふと、目を上げると電柱が目に止まる。 そこには一枚の広告が貼ってあった。     『バイト募集!!一緒に世界を変えてみませんか?そんな志を持った人はここに連絡を…』     謳い文句は気になったが、背に腹は代えられなかった。 すぐに連絡を入れる。     「もしもし。広告を見たんですが…」  
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!