★黒き戦乙女★

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雪奈「仲間割れね・・・・・もう暫らく様子を見ますか。」 仲間割れを始めたチンピラ達を見ながら雪奈は呟いた。 【???Side】 ???「ちぃ!!まったく!!今日は厄日かよ!!今日で春休みも終わりだってのに!!」 俺がそう言いながらチンピラ達の攻撃を捌いていると、元リーダーが話し掛けてきた。 リーダー「春休みって事は、お前は学生か?」 ???「ああ!!そうだよ!!それがなんだ?」 リーダー「いや、学生にしてはケンカ慣れしていると思ってな。」 元仲間達の攻撃を避けながら元リーダーが言ってくる。 ???「学生って言っても、俺は恐がられてるから滅多に学校には行かねぇんだよ!」 リーダー「どう言う事だ?」 ???「前に、苛められてる奴を助けたらやりすぎちまったみたいでな!停学くらってそれ以来、俺を恐がって誰も近づきゃしねぇ!教師でさえな!まぁ所謂、世間一般で言う不良ってやつだな!」 リーダー「そうか・・・お前!!名前は?」 ???「悠司!加山 悠司(カヤマ ユウジ)だ!!お前は?」 リーダー「俺か?俺は、慎二!横山 慎二(ヨコヤマ シンジ)だ!」 俺達が背中合わせになって自己紹介をして、気が散った所にナイフを持ったチンピラが突っ込んできた。 チンピラ「無視してんじゃねぇよ!!!」 悠司「しまった!!」 慎二「悠司!!」 俺は目を閉じて、襲ってくるであろう痛みに身構える。 だが、いつまでたっても痛みが来ない。 俺が疑問に思っていると、花のような良い匂いと共に聴いていて耳に心地良い、だが凛として辺りに響く声が聞こえた。 雪奈「素手の相手に対して刃物は危ないし卑怯でしょ?」 俺が目を開けると、そこには腹を押さえて倒れているチンピラと、長い黒髪を風になびかせながら立っている女の子がいた。 雪奈「そんな悪い子達には少しお仕置きが必要みたいね!覚悟はできた?」 そう言うと彼女は寒気がする程の冷たい笑みを見せて、俺の目の前から消えた。 悠司「え!?き、消えた!?」 チンピラ「グホッ!!」 慎二「悠司!!右だ!!」 俺が彼女を見失って驚いていると、チンピラの声と慎二の声が聞こえた。 悠司「右?」 俺が右を見ると、そこには倒れているチンピラと戦っている彼女がいた。 その姿はまるで、神話に登場する戦乙女(ヴァルキリー)のようで、戦っていると言うよりは踊っているように見えた。
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