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「ウゥゥゥゥ・・・・・」
唸り声をあげるそれは、人の形ではあるが頭部は犬の頭、体は銀の鎧の様な物を身に纏いそこから見える肌(?)らしき物の色は黒い。
怪物。
それが奴に似合う言葉だった。
加賀美「そんなバカな・・・ワームが何故?あれは滅んだんじゃ・・・」
加賀美はそう呟きながら上体を起こす。
李乃のも同様の行動をとる。
「ウゥゥゥゥ・・・」
逃げ纏う人の中、泣き叫ぶ少女を見つけた怪物。
唸りながら少女に足を進めていく怪物。
加賀美は咄嗟に動く。
加賀美「やめろ!!」
バシュ!バシュ!バシュッ!
銃弾を3発撃ち込む加賀美。
李乃「か、加賀美さん!?」
いきなりの発泡、そして『あれは人間が着ぐるみを着ているだけで、この世に怪物なんていない』という思い込みが加賀美の名を叫ばせた。
「ウゥゥゥゥアァァァァァ!!」
加賀美「!!」
ビュッ!!バシッ!!
怪物は一瞬で加賀美の前に立ち、鋭い爪を持った太い腕で銃を弾いた。
加賀美「くっ!!」
李乃「きゃあっ!!」
李乃の先程の思い込みは軽くふっ飛ぶ。
一瞬で此方へ近付いたのだ。
人間の反射神経を遥かに越えるスピードで・・・
恐怖が段々増していく。
加賀美は李乃を庇うように前へ出る。
加賀美「・・・・・。」
加賀美は李乃に逃げるようには諭せなかった。
この動きから逃げきれない事は確実だからだ。
なら、李乃に諭すより自らに攻撃を仕掛けさせ、その隙に逃げてもらおうと考えていた。
「アァァァァァァァ!!」
李乃「か、加賀美さんっ!!」
加賀美「っ!?」
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