#03 SAKURA

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朝日が昇った。 山の向こうから光が広がって、眩しさに目を細める。 「や~。すがすがしい朝だねー」 チョコはスコップを地面に突き刺し、朝日を拝んだ。 隣には朝の光を受けてキラキラと輝くさくらが、微笑みながら立っていた。 チョコはそんなさくらを見ていると、今にも消えそうな気がしていつも不安だった。 そりゃあ幽霊だから、いつかは天国へ行っちゃうんだろうけどさ。 その手伝いをしているのが自分、チョコだ。 この世に未練があって残っているさくらを成仏させるために、チョコは桜の木の下を掘っている。 さくらの遺体を見つけるために。 「チョコ。そろそろ戻らないと、学校遅刻しちゃうわよ?」 それを聞いてチョコは左腕の腕時計で時間を確認した。 「あ、ヤバッ!じゃあね、さくら。放課後、また来るから!」 チョコは鞄を持って走って丘を下りていった。 チョコの姿が完全に見えなくなると、さくらは桜の中に消えていった。
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