#03 SAKURA

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チョコとさくらが出会ったのは今から一ヶ月ほど前のことだった。 さくらを初めて見た時、チョコは彼女を妖精かと思った。 腰までの長く綺麗な黒髪。大きな黒い瞳。白く透き通った肌。 桜の木からふわりと現れた彼女を見て、チョコは目を見開いた。 さくらもチョコに自分の姿が見えることに驚き、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。 その日から二人は友達になった。 幽霊と人間。 さくらとチョコは色々な話をした。 学校での出来事や丘に住む動物たちのこと。見たこと、聞いたこと、感じたこと。 最近のこと、昔のこと。 さくらには生前の、死ぬ前の記憶がなかった。 「でもたまに、断片的だけど、昔の記憶みたいなものが頭の中に流れることがあるの」 さくらは言った。
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