回想

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私はリンゴ。 今は訳あってご主人様と一緒に住んでいないんだけど、ご主人様と会えたことに後悔なんかしてないよ。 …ご主人様と出会った頃、まだ私は本当に小さかった。 産まれてすぐに狭い小屋に入れられた私は、本当のお母さんの顔を覚えていない。 気がつくと私はペットショップに並べられていた。 あの頃の生活は最低だった。 私は鼻を触られるのがとても嫌い。 なのに、あのころは朝から晩まで子供達に囲まれていた。 小屋のアミの間から指を突っ込まれて鼻をつっつかれてた。 私がうたた寝してても、鼻をつっつかれて起こされてた。 逃げたくても小屋にはそんなスペースはない。 逃げたくてジタバタしていると、私の世話をしていた人に捕まえられて、子供達に無理矢理ベタベタ触られることもあった。
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