卒業

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朝。 起床時刻が午前6時30分だった。 この時刻にさしたる問題があるわけではない。 早起きでもなければ、遅刻でもない。 普段とまったく変わらない起床時刻。 小説のように都合よく小鳥なんかが囀るわけもなく、心地よい夢の世界から僕を現実世界へ連れ戻したのは、持ち主に忠誠を誓い、軽快な音楽を鳴らし続ける携帯電話のアラームだった。 さらに言ってしまえば、今日は世間一般に休日として認知されている日曜日なのだ。 3月を2日ほど経過した第一日曜日。 僕の通う私立新丘高校の卒業式が行われる予定の日。
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