回想

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必ずしもそうと言えるわけではないが、図書館で不機嫌そうな顔をして何冊も本を読んでる奴は、そういう奴が多いんだ。 過去に精神的外傷を負ってしまった人間。 僕の偏見である可能性は否定できないけれど。 そして、先輩は笑顔だった。 僕と同じタイプの人間であるはずなのに、簡単にヘラヘラと笑ってるんだ。 過去を内包し、傷痕を押さえ付け、自らを吹っ切ったように、僕に笑顔を向ける。 何故、そんなことができるのか。 理解できない。 彼女が、星野流歌が理解できない。 人間は、理解できない存在に対して恐怖を覚えるようにインプットされているんだ。 彼女は得体が知れない。 春霞の中をひたすらもがき続けるような気持ちが、そこにあった。
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