理想

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「俺は心配ありません。あんなやつら、暴れ馬と一緒で最初に馴らせば、大人しくなりますからね。 最初の授業の時に全員に木刀持たせて、俺が教えることに文句があるやつはかかってこい、って言ったんですよ。 十分もしないうちに、叩きのめしてやりました」 ほっとして笑いが込み上げる。いかにも彼らしいやり方である。 「俺のことはいいですよ。心配なのは先生の方です」 ザードは真剣な眼差しを向ける。 「いい後輩、持ったなぁ」 ハーヴェイはくしゃっと顔を崩す。 「はいはい、感謝して下さい」 照れ臭そうに茶化したが、すぐに顔を引き締め、 「動悸がするとか言って、早めに帰って下さい。あなたも歳ですから、誰も咎めませんよ」 「ありがとな。やけど、逃げるわけにはいかんなぁ」 顔は笑っているが、その眼は静かな覚悟がある。 「一人でも多くの生徒に俺の歴史教えるって、オーウェンに約束したからなぁ」
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