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「しかしお前が従者なんて未だに信じられないんだが」
ニコラスは得意気に笑う。
「ふふん。これでも結構板についてんだぜ。たまにこうして羽目外したくなるけど」
「ご苦労さん。従者なんて何かとストレスたまる仕事だしな」
吸血鬼を労り、ワインを傾けグラスに注ぐ。
「よくわかってるじゃん。従者なんか名ばかりで、ガキの我が儘に付き合わされるだけの日々さ。早い話が奴隷だよ?いくら食いっぱぐれないって言っても、軽く人生に絶望すんだけど」
「はいはい」
「この前なんか人間を夕飯に招待するなんて言い出すんだぜ!?おかげでこっちは炎天下の真昼にお迎え。日焼け、辛かった……」
注意深く見ると、肌は所々赤い腫れを残していた。
「はあ?人間と食事?信じられん」
「そう、それがまた生意気な奴らでさ、俺の作った料理食って、君のところのコックの腕、腐ってるんじゃない?とか言うの。その場で血を啜ってやろうかと思った」
「確かに酷いな」
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