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まるで、年下を相手にしているかのような言い方だったことを気にしつつも、少年は周りをチラリと見る。
周りの視線はすべて少年に向けられていたのだ。
すぐに理由に気がついた少年は顔を真っ赤にしてあるきだす。
少年の前にいた『そいつ』を追い越す時『そいつ』は追い打ちをかける。
『バカ』
その一言を聞いた少年は、足を止め肩をふるわせる。
『俺は周りの人には見えて……』
「もとはと言えばお前のせいだぞ!」
少年は『そいつ』の言葉を奪い地面に向かって叫ぶ。
お互い口をふさぐのだが『そいつ』がため息混じりに先に口を開く。
『裕貴~、お前学習能力ないなぁ』
「なん………」
裕貴と呼ばれた少年は振り返り、言い返そうとするのだが、異変に気づき最後まで言葉がつながらなかった。
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