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従姉妹が俺を誘ったのも、心霊スポットを探検したいがためだった。
森の内部に進むにつれて道端は細くなり、やがて獣道同然の心許ないものとなった。
俺は既に腰が引けていたが、従姉妹が躊躇いなく進むので仕方なくついていった。
やや大きめの木に差し掛かった時、従姉妹が嬉しそうに何かを指差した。
見上げると、その木に板が打ちつけてあった。
いや、よく見るとただの板じゃない。
太い釘が大量に刺さっている。
近づいてよく見ると、板に細い木材で組み合わせたノッポな人形の様な物が付けられており、そこに五寸釘が大量に打ち込まれていた。
俺は人形を見上げながら、奇妙な違和感を覚えていた。
藁人形じゃなく木の人形、全体は稚拙ながらも関節まで再現されていて、それ故に禍々しく感じさせた。
俺は従姉妹に引き上げようと告げ、元来た道を戻り始めた。
従姉妹は意外にも素直についてきたが、恐ろしいことを口にした。
「夜にまた来てみない?丑の刻参りが見られるかも。釘もまだ新品だったし」
俺は強く反対したのだが従姉妹に押し切られ、結局その夜、家人が寝静まった夜半過ぎに家を抜け出した。
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