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「よぉ!久しぶりだな」
事もあろうか、その超イケメンは私に向かって親しげに手を上げてきた。
「す、すみません!間違えましたっ!」
私は慌てて玄関扉を閉める。
……あれ?なんで私、謝ってるんだ?ってか、そもそもあれ誰?
暫く深く考えていると、突然!扉が勢いよく開けられた。
「おい杏。締め出しとはお前いい度胸してんじゃねーか!?」
「ひぃぃぃぃ…!」
さっきのイケメンが鬼の形相で私の顔ギリギリまで近づけ睨みつけてきた。
な、何?めちゃくちゃ怖いんですけど……?
蛇に睨まれた蛙って、まさにこのことなんですね。
「ほぉー顔や身体つきはソコソコ俺好みの女に仕上がったんだな」
ソイツは私の顎を指で掴むと更に顔を近付けてきた。
だ、だから貴方は一体……誰なんですかぁ?
私は心の中で必死に問うもの、あまりの恐怖で声にもならない。
きっとこのまま犯され、果てには亡き者とされるんだわ。
パパ、ママ。先立つ不幸をお許し下さい!
私は思わず目をギューッと閉じた。
すると。
「バーカ!なに怯えてんだよ」
ソイツは先程までの形相とは一変、優しい笑顔で微笑むと大きな掌を私の頭に乗せ
「俺だよ。二階堂竜」
と、サラっと言い放った。
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