act.3

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「ちょっとママ!何なのアイツ。ホントにあんな奴と暮らすの?」 私はあれから猛ダッシュで自分の部屋に戻ると、慌てて母親の携帯に連絡を取っていた。 『あぁ!竜くん今日着いたのねぇ。新学期に間に合って良かったぁ』 「…………」 ………母さんよ。娘のこの緊迫した空気を頼むから察しておくれ。 私は心の中で呟いた。 「いや、だからぁ。あんな俺様な人間と生活なんて、このさき出来ないよぉ。これなら私1人の方がよっぽどマシ……」 と、言いかけたところで私の目が一瞬にして一点に集中する。 だって、そこには…… ドアにもたれ掛かって私のことを睨みつけている …………奴の姿があったから。 「ちょっと、勝手に部屋入ってこないでよ!」 私の言葉に全く耳も貸さず奴はズカズカと私の元へ歩み寄ると 乱暴に携帯を取り上げた。 そして 「あ、おばさんご無沙汰です。杏は少し照れてるみたいだけど……大丈夫なんで。はい、じゃあまた」 それだけ言うとさっさと電源を切ってしまった。 「・・・・・・・・」 そのあまりに自己チューな行動に私は呆れて、しばし怒ることすら忘れていた。
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