act.3

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えーと……まず頭を落ち着かせて少し冷静になって、ゆっくり考えてみよう。 あれから、とりあえず ¨私、バイトがあるからっ!¨ と、逃げるようにして家を飛び出してきたのまでは良かったんだけど。 私はバイト先の本屋のレジ前で今朝のことを思い返していた。 二階堂竜は二階堂財閥の御曹子で NYで経営学を学び にも関わらず日本に一時帰国し来週、私の学校の2年生として編入してくる……らしい。 ホントは1コ年上でまるで雑誌から飛び出してきたかのようなイケメンで が、性格に少々難アリ。 いや¨かなり¨だな。 私は必死に頭と気持ちの整理を試みる、が やっぱり無理! アイツには悪いけど価値観も育った環境も性格的なことなど余りにも違い過ぎる! 一緒に生活するなんて、ありえないっ! うんうん。ここはやっぱり奴にはNYにおとなしく帰っていただこう! 私は固い決意を胸に秘め、今は黙々とバイトに専念した。
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