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「はぁ……?」
奴はリビングのソファに横たわり経済新聞を読みながら、悠々とコーヒーを飲んでいた。
「あ、だからですね?アナタには大変申し訳ないんですがNYに帰っていただいて経営学の勉強を引き続きしていただこうかと……」
私はバイト先から帰るなり決心が揺らがないうちに奴に切り出した。
「私は1人でも全然大丈夫ですし、ハイ。ですのでアナタ様には次期後継者としての勉学に勤しんでいただきたく……」
奴の機嫌を害わないよう、かなりへりくだった言葉を使って申し出てみる。
しかし。
「やだね。俺、ここ気に入ったし何より」
「・・・・?」
「俺、お前の許婚だから」
「…………は?」
イイナズケ?何ですか?それ……。
「あのぉ~おっしゃっている意味があまりよく解らないんですが?」
あまりに衝撃的すぎて私の脳はまるで他人事のように現実逃避していた。
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