act.4

2/7
前へ
/500ページ
次へ
「……ところでこれは何だ?」 奴は私が書いた模造紙を横目に見て、それはそれは面倒臭そうに呟いた。 まだ完全には納得してないし めちゃめちゃ不本意だけど 「こ、これから2人で暮らす為の何かと必要なルールだよっ!」 「はぁ……?面倒臭ぇ……」 奴の鋭い目つきに負けじと胸を張り、私は堂々と言い放ってやる。 「はい!注目ーっ!」 ① 部屋に入る時は必ず!ノックすること ② 食事・掃除は分担すること (でも洗濯は各自すること) ③ お風呂やトイレは鍵を必ずかけること! かけること ④ お互い干渉しないこと ⑤ 学校では¨他人¨であること ⑥ 以上のことを必ず守ること 「まぁ、この他にも気付いたことがあったら、その都度ドンドンつけ加えていく予定だけど……とりあえずはこんな感じかな?」 私はその紙を意気揚々と壁に張り付けてやった。 「はぁ、かったりぃ……ってか、俺まだ時差ボケで調子ワリィんだ。ってことで少し寝るわ」 そう言って奴はソファに俯せたまま目を閉じた。 「…………」 完全に取り残された感満載の私。 ってか、なにこの温度差! しかも私、かなり空回りしてないかい……? シーンと静まり返ったリビングで1人虚しく立ち尽くす私。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25208人が本棚に入れています
本棚に追加