act.4

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さぁ、どうする?杏。 アンタがこれから一緒に暮らそうとしてんのは ……かなり危険な輩よ。 私はソファで暢気に寝ている奴の姿をキッチンで眺めながら、夕飯の準備に取り掛かっていた。 いつもは1人分だけど……今日は、まぁ今日だけはアイツの分も作っておいてやることにしよう。 私は手早く作った肉じゃがと焼き魚そして味噌汁をテーブルの上に行儀よく並べると寝ているアイツに目を向けた。 「ねぇ、夕飯作ったんだけど……食べる?」 危険回避策として私は50センチ定規を使って、アイツの背中を軽く突いてみる。 チッ、まだ起きない……仕方ないな。 近付いて背中を揺すろうとした、次の瞬間! ガバッ 「俺様をウィルス扱いかよ?」 「ヒェェェー!見てたのぉ?」 慌てて逃げようとしたけど…… アイツの長い両腕が伸びてきて、私の首にピッタリと絡みついてきた。 うわっ!顔近いって! 私は足をバタつかせるも男の力にかなうハズもなく ………結局ムダな抵抗に終わる。 「………杏」 「なに?い、いいから離してよ!」 「俺を避けるな……」 「……へっ!?」 気付くと奴は……とても淋しげな顔をしていた。 その目は……あの日、私がアパートを引っ越す当日のあの幼い竜くんそのままだった。 「り、竜……?」 心配になって竜の顔を覗き込もうとした時。 「ふっ、騙されてやんの!」 そこには至ってフツーにムカつく竜の顔があった。 「このバカ竜!乙女の純情弄ぶなぁ!」 私の声は狭い家中に響き渡ったのは言うまでもない。
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