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「キャッ!!」
竜に強引に腕を掴まれると私は持っていた箸もそのままに、乱暴にソファへと投げ倒されていた。
「ちょっ、いきなり何するのよ!?」
私は語気を強めて竜を睨みつける。
「なに。杏の質問に丁寧に応えてやろうと思ってな」
「へっ!?」
そう言うと竜は何故か自分のシャツのボタンをゆっくり外し始めた。
な、何……?なにする気!?
私はソファの上で身構える。
「俺がどーして、こんなとこに来たか?ってぇ?」
「!」
あっという間に竜のシャツのボタンは全開で、そのたくましいまでの胸板が見え隠れしていた。
目のやり場に困っていると
ドサッ
「ひっ!?」
竜はその姿のまま私の上に覆い被さってきた。
「ちょ……!?」
そして、ゆっくり私の顔に自分の顔を近付けてくる。
だーー!!近いっ近いってば!
思わず顔を背けるが、そうはさせまいと竜の長い指先が私の顎を捕まえる。
「バーカ、逃がすかよ」
そう妖しく微笑んだかと思うと、竜のもう一方の手は私の頭の後ろに添えられ
そして、更に息を飲むほどに整った顔がゆっくりと近づいてくる。
「応えてやるよ……俺がNYからわざわざ来た理由はなぁ」
耳元でわざと甘い声で囁いてくる竜。
「…………!」
絶対!からかってる。
瞬時にそう悟りながらも私の心臓はうるさいくらいに鳴り止まなかった。
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