第3話            『時空世界』で出会った者

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「御待ちして下りました。ようこそ、『時空世界』へ。わたくしは『時空世界の巫女』のペケット・フェアリーと申します」  光が消えた後、咲江達は『時空世界』にある小さな町に到着していた。カーミッシュの案内で、町の裏路地にある大きな屋敷に入った。屋敷の中には、クリーム色の博士帽にローブをまとった16歳位の少女が立っていた。少女は自分の身長と同じ位の錫杖(しゃくじょう)を待っている。  ペケットと名乗った少女は咲江と彼方に挨拶する。 「初めまして、満野 咲江と申します」 「はっじめまして~、鹿古野 彼方でっす♪」  咲江はペケットに一礼し、彼方は手を振る。 「わぁ、ホント名前のとおりカワイ~よ。よろしくね~、妖精ちゃん♪」  彼方はペケットの肩に触れた。 「カナ! 変なあだ名をつけたら失礼でしょう!! フェアリーさん、ごめんなさい」  咲江は彼方をペケットから離し、ペケットに謝る。 「……彼方様、わたくしに二つ名を下さり、有難う御座います。咲江様、御心配なさらずに」  ペケットは無表情で言った。 「えっ? いいんですか!?」 「本人がいいって言ってるからいいの? 妖精ちゃん、どーいたしまして♪ ねぇねぇ、カーミッシュさん、『時空世界』探検したいです~」  彼方はペケットに手を振った後、カーミッシュの腕を引っ張る。
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