第3話            『時空世界』で出会った者

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「そうだったんですか……あの、明後日までここにいて、私たちは大丈夫なんですか? 3日間も家にいなかったら家族が心配するだろうし」  心配そうな表情をする咲江にカーミッシュが声をかけた。 「ご心配なさらなくとも大丈夫です。時の乱れが生じないように、こちらで配慮いたします。それに、お二人の3日間分の衣食住も提供させていただきます。その間、ご自由にお過しいただけますよ」 「どういう配慮ですか?」 「それは後(のち)ほどのお楽しみということで」  咲江にカーミッシュは微笑みながら言う。 「わぁ~、明後日まで『時空世界』探検できる~♪ あっりがと~、カーミッシュさん。うーん、探検のほかになにしよっかな。あっそだ、妖精ちゃんとゆっくり話そ~! ふふ、楽しみだなぁ~♪」  彼方は嬉しそうにステップを踏んだ。 「カナ、落ち着いて。有難うございます。3日間よろしくお願いします」  咲江は彼方をたしなめ、カーミッシュとペケットにお辞儀をする。 「……よろしく御願い致します」  咲江にペケットは一礼する。 「う~、さっきぃ、妖精ちゃん。かった~い! リラックス、リラックス♪」  彼方は笑顔で咲江とペケットの肩を叩く。 「……カナはもう少し緊張感を持ちなさい」 「ゴホン、『時計塔』の修繕儀式は明後日の1月3日午後11時半に行います。皆様、よろしいですね?」
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