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「ハァハァ……そんなことわざ、ない! ……カーミッシュさん、大丈夫ですか?」
咲江は息を切らせながら、カーミッシュに問う。
「ええ。貴女こそ大丈夫ですか、咲江?」
カーミッシュは心配そうに尋ねた。息切れはしてないものの、彼も少し疲れているようだ。
「はい、まあ……昨夜……というか、今日でしたね。カナがなかなか寝なくて。私が寝ようとすると話しかけてきて、結局寝れなくて……いつものことなので、慣れてるんですけどね……」
咲江は力無く笑みを浮かべた。「……そ、それは大変でしたね。少し休みましょうか? 丁度ここは日陰ですから」
「……いえ、大丈夫です」
「う~、さっきぃ、バテるのはーやい! 今日は楽しい探検なのに~」
「カナが元気すぎるだけでしょ!」「違うもん、さっきぃが体力ないだけ!」
「そんな訳無いでしょ!」
咲江と彼方が言い合っていると、カーミッシュが含み笑いをした。
「え、カーミッシュさん?」
そんな彼を見て咲江は驚き、彼を見た。
「申し訳ありません。貴女方は本当に仲がよろしいのですね。お二人を見ていて昔のことを少し思い出してしまいました」
「昔のことですかぁ?」
「はい、私とペケット様の幼少の頃を……」
カーミッシュは静かに語り始めた。
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