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「ペケット様と初めて出会ったのは私が『巫女の守護者』になるなために学べ始めて、しばらく経った頃でした。『巫女の守護者』だった父と『時空世界の巫女』の住む屋敷を訪ねた日、『時空世界の巫女』は生まれた瞬間から巫女だったので、どんな人だろうと大変緊張しながら、外で待っていました。屋敷から出てきたのは、小柄な少女でした。そう、彼女こそがペケット様だったのです」
「そうだったんですか。それで」
「はい。私はその時、まだ子どもだったので、彼女と友人になりたいという考えが真っ先に浮かべました。次の日から、私は守護者になるための勉強の合間に、毎日ペケット様の屋敷へ通うことにしました。……それから私とペケット様はお互い初めての友人になったのです」
その話しをしているカーミッシュは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「お互い初めての友人?」
「はい、そうです」
咲江がそう尋ねるとカーミッシュは微笑みながら頷き、話しを続ける。
「この世界でもあちらの世界と同じく、小中学校の義務教育が存在します。しかし、私とペケット様はそれを受けなくて良かったのです。いえ、受けることが出来なかったという方が正しいでしょうね」
「どうしてですか?」
悲しそうに話すカーミッシュに咲江が聞いた。
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