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「へぇ~、二人にそんな過去があったんだ! ねぇねぇ~、カーミッシュさん、妖精ちゃんのこと好きなんでしょ? その態度あやし~♪」
彼方はニヤニヤしながら、カーミッシュに詰め寄る。
「カナ。失礼でしょ、そんなこと聞いたら! ……ごめんなさい、気にしないでくださいね」
咲江は、あいかわらず、空気の読めない彼方をたしなめ、カーミッシュに謝る。
「え~、さっきぃだって知りたいくせにぃ~。二人のスクープは見逃せないぜ☆」
彼方は咲江の注意を受け流し、八重歯をのぞかせて笑う。
「いいですよ、別に。たとえ好意を持っていたとしても、それを伝えても意味がないと思います。巫女と守護者……主従関係である以上、けっして結ばれることはありえません」
カーミッシュはそう言うと、首を横に振った。
「な~んだ、つまんないの~」
「期待させて申し訳ありません。それに話し込んでしまって……」
カーミッシュは二人に頭を下げる。
「いいですよ。お二人の過去を知ることが出来て良かったです」
咲江は微笑む。
「うん、妖精ちゃんが無口な理由も分かったしね。……ところで、さっきの何年前の話しですかぁ?」
「えっと、あの時私が220歳で、ペケット様が140歳でしたから……180年前ですよ?」
カーミッシュは、少し考えながら答えた。
「ってことは、カーミッシュさんが11歳、フェアリーさんが7歳だったんですね。それでフェアリーさんは現在320歳で16歳ってことですか」
咲江は少し呆然としながら言う。
「11歳と7歳かぁ……かっわい~なぁ~」
「えっ、まあ……次の場所に行きましょうか、そろそろお昼ですから」
カーミッシュは二人に早口で声をかける。
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