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「うへぇ~、もう帰らなくちゃいけないんだね……あっ、妖精ちゃん! ヤッホー♪」
咲江と彼方はカーミッシュに連れられ、『時空世界』の中央に存在する時計塔、『時計塔』の前に到着した。それは正八面体で、色々な大きさの時計に包まれている巨大な『塔』である。『塔』は空中に浮いており、その真下には大きな魔法陣が描かれている。魔法陣の前に、ペケットが立っていた。彼方はペケットを見つけたと同時に、手を振る。
「咲江様、彼方様。御待ちして下りました」
ペケットは二人に一礼した。
「妖精ちゃ~ん、あんまり話せなかったね~。でも、忘れないから!」
彼方はペケットに抱きつき、悲しそうに言った。
「ちょっと、カナ! ごめんなさい、フェアリーさん……今まで有難うございました」
咲江は彼方をペケットから離し、ペケットに礼を言う。
「こちらこそ有難う御座います。……貴女方のことは忘れません」
ペケットは表情を変えずに言った。
「……では、咲江様、彼方様。これより『時計塔』の修繕儀式を行います」
ペケットは魔法陣の中に入り、二人を招き入れた。
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