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「ペケット様。私は儀式の妨げにならないよう、魔法陣から少し離れます。彼方、咲江。貴女方にこれを」
カーミッシュは咲江と彼方に手の平サイズの銀色の宝珠(ほうじゅ)を手渡した。
「それは『時計塔の光(ルーティス・ロッド・ファー)』といって、貴女方の巫女の力を発揮していただき、ペケット様の杖の能力を補うことが出来る道具です」
「カーミッシュさ~ん! 私とさっきぃと妖精ちゃんでバッチリ、スッキリ、スカッとやりますから安心してくださいね♪」
彼方はピースしながら答えた。
「カナ、落ち着いて! ……カーミッシュさん、安心してください。カナは私が見張ってますから」
咲江は彼方の頭を押さえ付けながら言った。
「……そうですか。それでは」
カーミッシュは微笑み、魔法陣の前から離れた。
「……咲江様、彼方様。では、始めましょう。わたくしが呪文を唱えますので、『時計塔の光』を掲げて下さい」
ペケットの目に力が入った。咲江と彼方は頷き、言われたとおりにする。
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